MISTAS

塩分を控える。香りを引き出す。

塩分を控える。香りを引き出す。
その答えは、ミストにあった。
醤油を塩分過多の原因にしない。
健康志向の高まりによって、塩分の取り過ぎが社会課題になりつつある。特に日本人は、醤油や味噌などの発酵食品を日常生活の一部として取り入れているため、特に塩分摂取量が多く、高血圧をはじめとした生活習慣病の原因として問題視されている。醤油メーカー各社は減塩醤油の開発などを行っているが、根本的な解決に結びついているとはいい難い状況である。そこで私たちは、醤油差しのデザインを見直すことで、節塩につながるプロダクトを開発することを着想した。
醤油をかけるものから、吹きかけるものへ。
醤油のかけ過ぎに着目した、一滴単位でかける醤油差しは既に市販されているものもある。しかしながら、こうした製品では、濃い味に慣れてしまったユーザーの味覚を満足させることはできず、結果的に多くの醤油をかけてしまう可能性も高い。
そこで、少量でも味わいを感じてもらうために、醤油を霧状にして噴霧する効果に着目した。ミスト状になった醤油は空気中で瞬間的に酸化し、香りが高まるのである。こうして、私たちは醤油をかけるものから、吹きかけるものへとリ・デザインさせた。
また、醤油は凝固することがあるため、内部で凝固しても押し出せるよう、スプレーの噴霧圧を最適化させた。
使い慣れ親しんだテーブルになじむデザイン。
プロダクト自体は、日本人が使い慣れ親しんだ醤油差しの形状をベースにした。その理由は、醤油を吹きかけるという新しい行為への心理的ハードルを下げながらも、テーブルになじむデザインとするためである。また、今後の使用シーンとして、家庭だけではなく、寿司店や懐石料理店などの和食店に置くことも想定されるため、陶器に近い質感を持たせた。