Hack 〜COVID-19により増加した間食を肯定化するスナック体験〜

2019年12月に中国武漢で発生したとされるCOVID−19は瞬く間に世界に拡がった。世界中で感染防止に向けて様々な防止策が講じられており、日本においても外出自粛要請が発出された。これにより外出が規制され、在宅勤務やオンライン授業など新たな生活様式への切替を強いられることで、運動不足や間食の増加による体重増加、腰痛など様々な二次被害を受ける人が増えている。特に在宅勤務中における間食は、ストレスがたまった状態で過度に行われると、体重増加を加速させ、進行すると生活習慣病にもつながる。更に、ストレスが溜まっている状態で行われる間食を無理にやめさせることは更なるストレスにも繋がる恐れがある。マーケティング会社が行った調査では、在宅勤務などのオンライン化により間食の回数や量が増えた人は半数以上おり、菓子類を購入する人が増加していることがわかっている。このため、我々は「間食」に着目した。在宅勤務中に無意識のうちについつい間食をとりすぎてしまう社会人に向けて、「自分の間食について認識」してもらい、「個人の嗜好と健康を考慮した間食」を提供する施策を提案する。本施策は、週に1回のペースで「個人の好み」と「健康」に配慮した間食を、自分の間食について認識してもらう仕掛けのパッケージと組み合わせて宅配で提供する。これにより、間食行為を肯定化し、健康で楽しい間食体験ができる。HealthyでHappyな体験を提供するsnack施策をめざしたいという想いから施策名を「Hack」とした。本施策でを継続することで、生活習慣病になるリスクの低減や、間食に関する罪悪感をなくすことが期待できる。

AUTHORS

藏本裕司 Yuji Kuramoto
通信キャリアにて新事業開発に従事

東珠莉 Juri Azuma
横浜市立大学医学部医学科3年

INTRODUCTION

2019年12月に中国武漢で発生したとされるCOVID-19は瞬く間に世界に拡がり、2020年3月にはWHOがパンデミックに至っているという認識を示しました。日本でも2020年1月に最初の感染者が発表されて以降、感染者は日々増加傾向にあります。2020年4月7日には東京都をはじめとする7都府県で緊急事態宣言が発出され、新しい生活様式が求められています。これに伴い、多くの社会人や学生が在宅勤務やオンライン授業を強いられ、運動不足や間食による体重増加・腰痛などの二次被害を受けていることを身近に感じるようになりました。これらを食い止めたいという想いから、「COVID-19による様々な二次被害(ストレス、肥満、生活習慣の乱れなど)を解消させる施策」をテーマにしております。中でも私たちは「間食」に着目しました。その理由として、間食は、体重増加・生活習慣病につながる可能性があり、解決の必要性を高く感じたからです。在宅勤務などオンライン化により間食の回数や量が増えた人は半数以上おり、菓子類を購入する人が増加していることがわかっています。また、間食はストレスが要因となって行われることが多いため、無理にやめさせることは新たなストレスを生む恐れがあります。
そこで私たちは『在宅勤務中に間食をついついしてしまい、自制がなかなかできない社会人を対象に、自分の間食について認識してもらい、「嗜好」「健康」に考慮した間食を定期的に提供する施策』を提案します。

METHODS

本施策は、在宅勤務中(PC等での作業中)に間食をついついしてしまい、自制がなかなかできない社会人を対象に週に1回のペースで「個人の好み」と「健康」に配慮した間食を宅配で提供する施策です。HealthyでHappyな体験を提供するsnack施策をめざしたいという想いから施策名を「Hack」しました。
はじめにWebで自分の嗜好やアレルギーなどに関するアンケートと会員登録を行います。数日後、1週間分の間食が自宅に宅配で届きます。箱の中には、「青」「黄」「赤」3色の包装に包まれた間食が複数入っており、青=1〜80kcal、黄=81〜160kcal、赤=161〜200kcalというように熱量別に包装されています。1度に宅配される(1週間分)間食は合計1,400kcalで、青・黄・赤の組み合わせが毎週異なるラインアップで届きます。熱量別で包装の色を分けることにより、間食でどのくらい摂取しているのかを感覚的に認識できるということと、1,400kcalを1週間かけてどのような配分で食べるかを考えてもらうことで、自分の間食について自然と認識できると考えております。
また、包装を開封するまでは何が入っているかわからないため、持った時の重さや振った時の感触、包装に記載されている絵などで(図1)何が入っているのかを想像しながら開封するという楽しさを取り入れることによって、包装を開けて食べる楽しさを演出します。(図2)
これにより、何気なく(無意識に)間食をしていた人に対して、間食の内容に興味を持ってもらうきっかけが生まれることを期待しています。
在宅勤務中のシーンでは、PC等の作業をしながら間食することを想定しているため、1週間分のお手拭きを同梱しています。(今後、包装で手を拭える方法も検討します。)
間食の内容については、熱量の中でも脂肪に変換されやすい糖質と脂質に配慮したものをお届けします。
内容の一例:【青】たまごボーロ(15粒)【黄】芋かりんとう(10本)【赤】パスタスナックカレー味(32g)

図1:包装の1例

図2:外側からは何が入っているか分からない

DISCUSSION

間食による体重増加や生活習慣病の防止に向けては、施策を長く続けてもらうことが重要だと考えています。そのため、私たちが本施策を検討する上で大事にしたことは「間食の肯定」と「間食についての認識」です。
間食はストレス解消を目的に行われることが多々ありますが、間食自体を止めさせてしまうと、新たにストレスを生んでしまう恐れがあります。そのため我々は、間食を肯定的に捉えてもらえるよう、「間食摂取量の自然なコントロール」と「嗜好や健康に配慮した間食」を提供することが必要だと考えました。また、自分の間食について自然と認識してもらい、興味を持ってもらうことも重要だと考えています。
定期的に間食が届き、普段の何気ない間食行動の中で自分の間食について認識できる本施策は、間食を肯定化させ、楽しい間食体験を継続させることができると考えます。
今回の施策では、3(朝昼晩)食ありきでの間食のあり方について提案していますが、間食の肯定化が定着した暁には、間食を中心とした新たな食生活の再構築を行うことで、体重増加や生活習慣病の更なる防止に貢献できるのではないかと考えています。